【演者紹介3】教育講演 鈴木岩弓先生

14:40 - 15:10
「医療と信仰の接点 臨床宗教師の誕生をめぐって」

東北大学名誉教授 鈴木岩弓先生

本講演においては、「臨床宗教師」養成に立ち会う中で寄せられた以下の四つの疑問点に応えることとし、これを通じて題目に挙げた「医療と信仰の接点」について考えてみたい。
 ① 既に精神科医・看護師・臨床心理士などの専門職が従事している「こころのケア」の現場に、新たに「臨床宗教師」が参加する意味があるのか?
 ② 「臨床宗教師」は、「宗教者」でなければなれないのか?
 ③ 「臨床宗教師」は、異宗派異宗教の人に寄り添う際に自己の信仰をカッコに入れて対応するというが、そのような「宗教者」は、本物の「宗教者」ではないのではないか?
 ④ 「臨床宗教師」とわざわざ言わなくても、「宗教者」として当然のことをしているだけのことではないか? 

1951年東京にて生まれる。
東北大学文学部(宗教学宗教史専攻)卒業後、同大学院文学研究科博士後期課程満期退学。
1982年島根大学助手に採用された後、講師・助教授を経て、1993年東北大学文学部助教授に。
その後文学部教授、大学院文学研究科教授を経て2017年3月定年退職。
同4月より東北大学総長特命教授(〜2022年3月)、同名誉教授(〜現在)。
日本宗教学会常務理事、日本スピリチュアルケア学会業務執行理事、日本民俗学会前会長などを歴任。専門は宗教民俗学・死生学。

〈主な著作〉
『いま、この日本の家族―絆のゆくえ―』(岩上真珠・鈴木岩弓・森謙二・渡辺秀樹著)弘文堂 2010年/講座東北の歴史 第六巻 生と死』(鈴木岩弓・田中則和編著)清文堂 2013年/『変容する死の文化―現代東アジアの葬送と墓制―』(国立歴史民俗博物館・山田慎也・鈴木岩弓編)東京大学出版会 2014年/『〈死者/生者〉論 ―傾聴・鎮魂・翻訳―』(鈴木岩弓・磯前順一・佐藤弘夫編著)ぺりかん社 2018年/『柳田國男と東北大学』(鈴木岩弓・小林隆編著)東北大学出版会 2018年/『現代日本の葬送と墓制 イエ亡き時代の死者のゆくえ』(鈴木岩弓・森謙二編)吉川弘文館 2018年など。

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